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四国山岳霊場・霊峰編2/剣山


嵐の禊・謎の霊峰―剣山修験(回想)

剣山(標高1955m)には、遠くエルサレムから運ばれて来た「ユダヤの秘宝―神との契約の聖櫃(十戒の石板・アロンの杖・マナの壺)」が埋蔵されているいう伝説がある。実際に山頂付近を調査・掘削した先駆者は、その証拠を発見したと伝えている。その秘宝が世に公表される時、日本民族の真の姿が明らかとなり、日本は世界文明の中心になるのだと言う。四国八十八ヶ所霊場を開創した空海は、当時そのことを知っていて、剣山を回るように徳島の霊場を配置したという説もある。

また、剣山には仙人が住んでいた。「剣山で、林霊峰さんと一緒に修行しましたよ…。」高知で山籠もり修行をされていたG師は、その方のことを話してくれた。仙人は、空中に浮かんだり、空間から必要なものを取り出していたともいう。

そんな話をしながら、修験仲間三人で剣山に登った日があった。剣山へは、見の越からリフトに乗れば1時間ほどで登ることができるが、その日は富士の池・龍光寺から登って行った。

一泊二日の予定で、行場を巡り、夜は山頂で「満月の瞑想(フルムーン・メディテイション)」をすることにしていた。

龍光寺は修験道の霊場である。剣山大権現に参拝して、樹海の中へ入り「お花畑」のコースを登って行った。

深い森の中を進んでゆく。途中で、急に雨が降り出す。あたり一面に、白い霧が漂いはじめ、雨は次第に強くなって、行場に入る手前では、激しい風雨となっていた。樹海の樹々は波立ち、道端の低木はバッサーバッサーと揺れ動き、山道には泥がはじけるようにして飛ぶ。吹き荒れる嵐の中、三人ともずぶぬれになって「六根清浄!六根清浄!(ろっこんしょうじょう/六根とは目・耳・鼻・舌・身・意))と叫びながら、声をかけ合って進んで行く。ただ前へ前へと進むしかない、「一心」にならざるを得ない状況、まるで「天然の禊(みそぎ)」である。

行場に入ると、大きな岩や樹林には白い霧が立ち込め、神秘的な様相を醸していた。山霊の息吹が漂い、目の前で霧が動く。雨に打たれた草木の香りがする。行場には両劔神社、三十五社、胎内くぐり、蟻の塔わたり、古劔神社、千筋の手水鉢、鶴の舞い、不動の岩屋などがある。その中のいくつかを巡って行く。

不動の岩屋は洞窟になっていて、ライトをつけてハシゴを降りてゆくと底の方に水が流れている。「伝説の秘宝」は、鶴の舞いの上か、頂上の宝蔵石の下か、鶴亀岩のあたりか…。奇妙な岩を登ったり、小さな社に祈ったり、鎖をつたったりして、山頂へと向かっていった。修験道では「山河草木皆仏性…」といい、自然のすべてに仏性が宿っている、自然は神であり、吹きすさぶ嵐も如来の声と聴く。

嵐の山中を二時間余り歩き続けていた。山頂の雲海荘にたどり着いた時には、三人とも放心状態であった。山頂で楽しみにしていた「満月の瞑想」は出来なかったが、「天」の大洗礼を受けた一日だった。

 (行場巡りのすすめ:地図参照/剣山の行場はひっそりと静かで神秘的なところです。行場へはリフトコースからも行けます。剣神社に祈願してからリフトに乗ります。10の行場と山頂近くの宝蔵石、鶴亀岩、大劔神社を巡れば、秘宝の謎の解明に近づけるかも知れません。山頂からは360°四国山地の山々が見渡せます。)



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