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招霊木(オガタマノキ)の香り

執筆者の写真: TOMOTOMO

朝、山辺の農場につくと、上品な香りが漂ってくる。あぜ道沿いに、キイチゴ、オガタマノキ、ビワ、ナシ、モモ、ネクタリン、リンゴ、ローレルの木が並んでいる。風に乗って流れて来るのは、オガタマノキの白い花の香りである(写真)。オガタマノキはモクレン科の常緑樹で、神聖な木として神社の御神木になることがある。枝葉を玉串として神前に供え、神霊を招く儀式にも利用される。花は何とも言えない甘く清純な香りがする。

ここ数日、天気のいい日が続いているのでずっと農作業をしている。土を耕し、ウネを立て、マルチを張った。畑の中を這いずり回るように、一日中土まみれになる。手作業でマルチに穴をあけてゆく。長年、無農薬、無肥料、無除草剤の畑なので、雑草の茂った土を掘り起こすと適度に湿りさらさらと少し甘酸っぱい土のいい香りがする。5月初旬、苗床ができたので、昨年掘り残してあったアピオスを掘り起こし、植えて行った。既に芽の出ている芋もあった。定植は2日がかりであったが、植え終って数えて見ると、約600個―。次は、支柱立て―。

土をいじっていると、ハクセキレイが飛んできて、すぐ近くをチョンチョン歩いている。風が吹くと、オガタマノキの香りが漂ってくる。青天井の下で、疲れては休み、時々赤星山や赤石山をながめる。近くの山肌は緑の樹々一面、春の陽ざしに輝き、そよ風に揺らいでいる。そんな中、午前の定時に、いつも行政無線が流れる。「不必要な外出は避けましょう…」コロナ恐怖による緊急事態宣言…。コロナウイルスは、医療崩壊というより経済崩壊を狙っているのかもしれない。感染恐怖のため労働が自粛され、倒産する会社や経営が行き詰まり自殺に追い込まれる人もあると聞く。今日の行政無線では、警察官を名乗る金融詐欺の電話に気をつけましょう…。

畑でフト思った。企業も労働自粛、行動規制、学校も休校、観光にも行けない…。みんな、子どもたちも農業をしたらいいのに…と。この期間、政府とJA・農家等が連携して、自然の中で農産物を生産する作業に当たれる仕組みを作れないのだろうか…。「食」を生み出す農業は人間生活の根本にある。日本の食料自給率は4割にも満たない。世界恐慌が起こり輸入が止まってしまえば、6割の食料をどう工面していくのか。お金は単なる紙切れになる、日本人の半数が餓死する?。国内の食料自給率は100%であるべきではないのか。しかも安全な自然栽培で―。

アピオスは小さいながらも滋養強壮の健康野菜と言われている。秋の収穫が楽しみ(農園活動については「野愛の里」に掲載中)。次は、ショウガを植え、小麦を蒔く予定―。

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