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人生は遍路なり’84


四国霊場八十八ケ所も既に6月から閉鎖が解かれ、通常通りの参拝が出来るようになっている。古くから密教でいう三密(ホトケの身密、語密、心密)よりも、コロナの三密(密閉・密集・密接の感染予防)が有名になってしまった。

空海大師は「即身成仏義」で「三密加持速疾顕」と説いている。「もし真言密教の修行者がおり、この意味を考察して、手に印契を結び、口に真言をとなえ、精神を統一するならば、仏の三密と修行者の三密とが応じあい、力を加えあうから、早く偉大なさとりの完成の境地を得る…(弘法大師空海全集第二巻)」。このことが祈祷-祈り実現の原理でもある。

四国霊場の僧侶方は、日々、巡礼者たちの悲願が実現することを願っておられると思う。疾病退散、病気平癒、身体健康…。ホトケがウィルスに犯されるようなことがあるだろうか。

昔、日本に干ばつが続き人々が飢饉に瀕した時、空海大師は密教の護摩祈祷を行い、雨を降らせて全土を潤おした。

また、当時の政権に闇がはびこり人々が悪政に虐げられているのを見て、鎮護国家の修法を行い、世相を平穏・安泰に転変されたと伝えられている。

霊場が、コロナの関係で一時閉鎖されたのは残念であった。

以前より霊場は、修行者だけでなく不治の病に苦しむ人や人生に絶望した人、ホームレスたちの拠り所でもあった。

苦悩にさいなまれる人や世間から見捨てられた人たちが、四国霊場を巡り、大師の御徳に触れて、世直しをしようと四国に渡って来ていた。霊場はどんな人にでも大きく開かれていた。

僧侶の方は救済の手を差し伸べ、地域の人の多くは相互供養の心で接していた。これからもそのようにあってほしいと願うものである。

もし、空海大師がこの現代に生きておられたら、コロナの渦にどう対応され、どのように巡礼者に接し、霊場を運営されるであろうか…。

そんなことを想いながら、約36年前の「人生は遍路なり」というしおりを思い出した。ちょうど弘法大師御入定千百五十年御遠忌の年であった。同時に封切された映画「空海」を映画館で終日見た後、自転車で八十八ヶ所を21日かけて巡礼した。その人「空海」に会いたくて、途中、高野山・大峰山にも登った。当時、各霊場が巡礼者にメッセージを発していた…その時いただいて来たしおりをホームページに載せさせてもらうことにした。映画のパンフレットを見ると未だに感動する。時代は変われど、如来(ホトケ)の教えは永遠・普遍である。(写真の短冊は四国別格霊場第18番海岸寺で購入)

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